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2019/06/19

Open棟梁の開発利用者の感想(3)

Tweet ThisSend to Facebook | by nishino
 第一回第二回は、いずれも匿名ユーザからのSNSへの報告をリポートさせて頂く形で紹介させて頂きましたが、今回(第三回)は、匿名ユーザではなく、実際私が把握している案件からのリポートになります。

 残念ながら、SIあるあるで、ユーザー名は公開できません(広報の手続きとか面倒なので)。ただ、本案件は、OSSらしく、某承社が商流に噛まない、完全に他社案件をOSSコミュニティとしてサポートした事例になります。

 それでは、以下、第三回の利用者感想になります。
 (※ 設問については私の方で設定しています。)



(1)導入の経緯
(1-1)どうやって知りましたか?
 .NETによるC/S3層構成の情報を
 インターネットで収集している中で、発見した。

(1-2)導入の決め手はなんでしたか?
  • 多くのプロジェクトで導入実績がある。
  • Web、C/S2層, 3層など、複数のシステム構成に対応している。
  • チュートリアル、マニュアルが充実しており、
    検討段階で実装をイメージすることができる。
    (チュートリアルでサンプルアプリの動作確認が出来る。)
  • C/S3層構成においてP層とB層間の通信処理を実装しなくて良い。
  • 「カスタマイズ可能レイヤ」により、
    案件毎に異なる非機能要件を吸収できる。
  • 最新のVisual Studio、.NET Frameworkに対応している。
  • Googleグループを利用したQ&Aのサポート窓口がある。
    (また、利用したところ、レスポンスが早い。)

(2)良かった点
(2-1)マネジャー観点
  • OSSであるためコスト面で効果が高い。
  • C/S3層構成における(通信やDBアクセス等の)
    低レイヤの設計・実装工数削減、及びリスク回避ができた。
  • 他案件へ容易に展開でき、標準化による属人性の排除が見込める。
    (途中入場者の立上りが早く、技術要員の育成・拡充にも寄与。)
  • 導入実績が多いため、信頼性が高い。
    (本稼働後も障害は発生していない。)

(2-2)開発者観点
  • 業務機能を実装する上での制約がほぼ無い。
  • 非機能要件への対応の自由度が高く、案件に応じた実装が可能。
  • B層は構成によらず統一的な実装であるため、再利用性が高い。
  • 随時、GoogleグループでQ&Aできるので安心感がある。

(3)悪かった点
(3-1)マネジャー観点
 「Open棟梁」自体には特にありませんが、C/S3層構成の製品をWeb検索している中で発見するまでに他製品より時間がかかりました。そこで発見できなければ他社製品、もしくは自社開発の選択となっていたので、HPのSEO対策など、普及に向けた取り組みを強化されると、利用者の拡大に繋がるのではないか?と思いました。

(3-2)開発者観点
 カスタムコントロールもいくつか用意されていましたが、要件が合わなかったため自社開発で用意しました。この辺りも充実されれば。と思います(案件によるところが大きいとは思いますが)。

(4)今後の展望などあれば教えて下さい。
 今回はC/S3層で構成しましたが、Web構成(ASP.NET MVC)の別案件にも採用する予定です。今回の案件での経験をベースに実装するので、さらに生産効率は向上するものと見込んでいます。

 また、他部署へも展開し、C/S2層での案件は既に稼働中となっています。そして、.NET Core、.NET 5によるLinuxサーバ構成も、今後、選択肢に入ってくるため、多様な構成で採用できますので引き続き利用させて頂きたいと思います。



 如何でしたでしょうか?

 何気に、とても参考になることが書かれているなぁ。と思いました。2014年にOSS化して以降、競合といえるキャパシティを持つプロダクトは世界を見渡してもホボ無いことは把握していましたが、比較対象が無いので、他者から評価して頂けると、とても助かりますし、開発者として効果を想定して開発している所も、他者から改めて、その効果を言って貰えると、コレを再確認できます。

 現状、社内でも、大規模案件での採用が続いていますし、更に、この様な第三者情報の発信によって、社外ステークホルダーからの信頼も受けやすくなり、これにより、この手の開発基盤の再利用性も、更に上がっていくものと思います。

 加えて、昨今の我々を取り巻く、組織体の環境要因には、働き方改革による労働集約的事業からの脱却、従来型IT人材から先端IT人材へのシフトなどの要求があると思います。また、来年は、.NET 5への対応 ... と、開発基盤の開発プロジェクトも追い風を受けていると感じていますので、引き続きサポートと機能拡充に尽力していきたいと思います。
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