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2021/03/31

SIテンプレが難しくなってきている理由について語る。

Tweet ThisSend to Facebook | by nishino
 SIテンプレに関しては、度々、言及してきましたが、今回も、その延長上の話をします。...で、SIテンプレ単体が難しくなって来ており、なんとなく、周辺は他社品を含めての提案が多くなってきている気がします。

 単体が、難しくなって行く理由として、

 「競合の成長により収益性が低下する中で、複合的なプロダクトやサービスの組合せが、1つの価値提案を構成するケースが増えてきている。」

 などが考えられ、このため、特に、SIテンプレ系の自社品を新基盤(オンプレ → クラウド / コンテナ / IaC、ソフトウェア・フレームワーク)へ対応させる更改等が、なかなか出来ないのが問題なのではないか?と思います。

 勿論、SIテンプレの差別化ポイントは業務だと思いますし、コレを、やれている時は良いのですが、今後、「大手はスクラッチ、中小はSaaS」などに割れて来ると、SIテンプレ的パッケージに依るパッケージSIって言う芸風は、結構、苦境に立たされるのでは無いか?と言う感もあるのですよね。

 そうなると、ココ一番で、技術面が、Weakest Link(構造の脆弱な部分)になるんじゃないか?と思うんですよね。解り易い展開としては、「業務は解っているケド、技術は解からない。」でOKだった時代から、SaaS台頭で、「技術が解からないと土俵に乗らない。」と言うゲーム・チェンジが起きる。と言う感じですかね。

 実際、今後、コモディティ化は進んで行くだろうな。と言う雰囲気はあるんですよね。例えば、 エッジ・コンピューティングにおけるクラウドからのオンプレ回帰にも、「垂直統合型インフラ(HCI)+コンテナ技術」の利用が進んで行く事を考えると、回帰といってもコモディティ化は更に進んだ上での回帰になりそうだな。とも思うので(そう考えると、コレは、更なるクラウド化への布石なのかもしれないな。なんて思ったりしませんか?)。

 ...と言う事で、究極的には、企画側(デマンドサイド)に立つか、SaaS側(サプライサイド)に立つか?の二択になるのかもしれません。特に、一部のSIerのSIテンプレは、既に、複合的なプロダクトやサービスの組合せ提案になっているので、恐らく、行く行くは、企画側(デマンドサイド)に立つケースが増えて行くものと予想します(そして、プログラム・マネジメントの重要性が高まって行く)。

 私はどちらのTO-BEに対しても準備は出来ているので良いですが、ちょうど前回に言及したセキュリティの複雑化なども伴い、オンプレの運用・保守も問題を抱える事になるだろうと考えるので、恐らく、中途半端なAS-ISの踏襲になることは無いと思っています。
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