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2020/08/24

色々と渡り歩いて解ったこと。

Tweet ThisSend to Facebook | by nishino
 私、入社時は、2,000人の会社に入社したつもりだったんですが、入社したら、合併で4,000人の会社になっていて、10年ほど経って、5,000人の会社になった頃に、また、合併で10,000人の会社になって、それから5年で再編になって、また、5,000人に減って、そして、今は、1,000人の会社に転籍していたりします。

 ...と言う事で、渡り歩くつもりはあまり無かったんですが、結果的に結構、渡り歩いたな。という感覚はあります。

 そう言う中で解った事ですが、元々、SIer自体が、「情報処理サービス業」と言われるワリにサプライヤ色が強く、その中でも、規模が小さいSIerほど、サプライヤ色が強くなり、そして、実際、サプライ(供給)しているのは、

  • 単純な人力だったり
  • 技術力(プロダクトの知識)だったり
  • ルーチン化が可能なテンプレート的なプロダクトだったり

 します(従来型のSIerは、ココから、規模が大きくなっていくと、サプライサイドからデマンドサイドに寄って行って、PM集団化します)。

 なので、規模が小さいSIerでは、企画・開発など、バリューチェーンの支援活動に該当する本社機能は2の次で、事業側で潰れた人や、お荷物の人が、本社機能に移動してくる事が確かに多いです。

 ただ、会社の規模が、1,000 → 5,000 → 10,000人と増えて行くと(、恐らく、サプライヤ色が薄まって行って、アカウント力とプロジェクト・マネジメント力が強化されて行き)、本社機能も、そこそこ大きくないとダメだろ。的な雰囲気が出てきて、実際に本社機能へのニーズも増えて行きます(そうなっていない企業は、まだ、サプライヤ色が強い)。そして、体制も大きくなって行き、優秀な人も増えて来て、事業側から人材を引き取るというケースも減っていきます。

 そう言う経験の中で、

 日本の企業って、基本的に、雇用の流動性が低く(、特に管理業務を遂行する上で)、苦手が少ない人が昇格して行くスキームなので、このスキームの上で組織を強化しようとすると、大量の人を集めて、篩いに掛けるしか、即効性のある方法が無いんですよね。

 と言うのが解ってくる。

 合併などは、この、大量の人を集める。という目的で有効な気がしています。と言うのも、合併後、数年の間に、確かに、活気が湧いてきて、組織の成長を感じることが出来るケースが、振り返って見ると、多かったからです(これが、その、合併・再編のガラガラポンなんでしょうね)。



 ...と、ココまでは、AS-ISの話で、ココからは、TO-BEの話をしたいと思います。最近、「アフターコロナ」と言う言葉が使われていますが、なんとなく、これからは、この「人を集める。」と言う事が難しくなって行くと思います。...と言うのも、「人口が減りゆく中で、需要も減ってきている。」と言う話と、「労働に求められるモノが、量から質に変化してきている。」と言う話しが大きな要因だと思います。

 すると、何が起きるか?と言うと、前述の「大量の人を集めて、篩いに掛ける。」と言う事が(、合併というメソッドを除いて)、出来なくなるので、「雇用の流動性を高くして、高い専門性を求めるようになる。」と思います。それが、ちょうど、昨今、言われているジョブ型雇用になります。

 そして、同時に、労働集約的だった、SIerのあり方も変わっていくと思います。従来のSIerのコア・コンピタンス、ユーザー系とかメーカー系とか言う言葉があるように、その企業自体の実力と言うよりも、ユーザー系だったら親会社から安定した発注があるだとか、メーカー系だったら、親会社のプロダクトの販社的に売上を上げられるとか、そう言うポジショニングの話しが多かったと思いますが、「脱・労働集約」や「脱・自前主義」が囁かれる中では、やはり、規模が小さくても(、プロジェクト・マネジメント力に留まらない)、企業自体の実力が大切になって行くんじゃないか?という気がしています。

 実際、「最近、問い合わせの雰囲気なんかも、そんな感じになってきている気がするなぁ。...3年前と比べたら。」みたいな事を思ったりしています(まぁ、そんなにリニアな話じゃないですケド)。

 あと、企業には、段階があって、主活動側が高度化&自走可能になって行くと、支援活動側は、より、支援の内容を間接的にして行く事が出来るように思います。故に、支援活動は、

 「最初、仕事が無いが、途中、主活動の高度化に伴い、直接的な支援の比率が上がって行き、最終的には、間接的な支援の比率が上がって行く。」

 と言う変遷を辿るように思いますが、直接的な支援ってのは、まぁ、やり易いし、人も勝手に育つんですが、間接的な支援に変わっていった際に、上手くやれるか?と言うとコレは、また、次のハードルが現れ、そして、なかなか上手く行かないように思います(コレが前回の投稿の話しですね。)。



 ...で、近辺の状況としましては、そんなにリニアな話じゃないですケド、徐々に、トランスフォーメーションしている感じはあり、人は 2 / 3 にして、一人当たりの知識量は3倍にしろ。みたいなノリを感じます。明確にそうは言われていませんが、実際、人は減りましたね。...で、必要なレベル感は、確かに、従来の知識量の3倍ぐらいは欲しい感じだと思います。

 ...と言う事で、

 古いレギュレーションでやってる人(以前に投稿した、新50代問題に該当する人)はモチベーションを維持出来ないかもしれませんね(最近、そんな話をチラホラ聞いたりします)。

 一方で、この先を考える人は、自分達のステージが、

  • 今、どの辺に居るのか?とか、
  • 今後、ステージは変わるのか?とか、
  • 変える気があるか?とか、

 そう言う事を意識すると良いかもしれません。
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