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2019/01/16

改めて身近なサプライサイド・デマンドサイド対立を分析してみた。

Tweet ThisSend to Facebook | by nishino
 最近、「社畜漫画」とか「クリエイターの告発漫画」とか、「デマンドサイド ⇔ 仲介 ⇔ サプライサイド」という、ありがちな対立構造を描いたコンテンツが流行っているみたいですね。


 「ストーリーとは"対立"とその"解決"である。」と三田紀房が言ってたとおり、ありがちな対立構造であるが故、
  • デマンドサイドがサプライサイドを効率化せずに、使い捨てたり
  • デマンドサイドとサプライサイドの仲介が板挟みで苦労したり
 と言うような共感を生む物語が生まれるんですね ... なんて言う事を思いながら、以前も少々、この問題に触れましたが、あらためて身近なサプライサイド・デマンドサイド対立を分析してみました。

 最初は、
  • アカウント ≒ 「デマンドサイド」
  • 開発組織 ≒ 「サプライサイド」
 であると考えていましたが、

 チョット前に、この辺りでも触れましたが、同じ自動車製造者の中でも、企業によって「工場プロフィット or 営業プロフィット」と言う文化があるのを知り、コレにSIerを当てハメると、アカウント以下はサプライサイドの工場プロフィットで、インターフェイスだけが少々、デマンドサイドの営業っポイ化粧をしているダケ。と言う事に気が付きます。

 確かに、SIerは人的資源は外部調達であるものの、調達した人的資源のマネジメントを行うためのリソースを有効活用しよう。と言う(人売りを目的化している)発想が工場文化に近く、自動車産業と比較しても、多様性に乏しい気がします。

 そう言えば、過去に、日本のソフトウェアは工場文化の下で開発されているため「アレ」って記事があったように思います。早速ググるとサクッと以下の様な記事が出て来ます。

 「多くの日本メーカーは優秀な理系のエンジニアを採用してもソフトウエア・エンジニアとしては育成していない。任せている仕事は仕様作りやプロジェクト管理ばかりで、実際にソフトを開発するプログラミング作業は下請け企業に外注するというスタイルを採っている。こうなった背景には、...ハード全盛時代の人事システムがある。」

 また、以下の「"製造業"は無くなる」と言う記事の中には、

 「消費者ニーズのくみ取りから商品設計、生産、物流、販売という大きなビジネスの流れのなかで、メーカーは製造の専門家として生産に集中していればよかったが、あらゆるデータが瞬時に集まる時代、マーケティング、設計、調達、生産、物流、販売は一体でやらなければならない。」

 とありました。コレ等を統合すると、

 「製造業が自出となる企業では"マーケティング~販売"という"工場での製造"前後のアクティビティを遂行するパフォーマンスが十分に無いし、そもそも、ソフトウェアに関しては製造に関するパフォーマンスも十分に無いため競争力が落ちている。」

 と言う事だと思いますが、これについては、この辺に書いたとおりで、昨今、こういう取り組みをしないと、プロダクトはdisconまっしぐらで、大概のプロダクトはコレが出来ていないので、ほぼdisconになっているように思います。

 ココまで書くと、昨今、この工場文化自体が問題視されつつある気がします。工場問題としては、
  • 作れば売れる時代が終わった(過剰供給、コモディティ化)
  • 外部環境への依存度が高い(人的資源依存、価格変動リスク)
 などなどがあるかと思います。

 「じゃあ、そんなのサクっと変えればイイんじゃない?」なんて思ったりしますが、「実際、最も大きな問題は、ソコじゃなくて、変わりたくても変われないことなんじゃないか?」なんて思ったりしています。例えば以下の記事は二年前の記事ですが、


 その後、デジタル事業の見切り、大半売却済み


 ...と言う事で「答えはソコに無かったね。」と言う経過を辿っているように思います。工場問題の分析で、こういうの見てるとハードウェアはソフトウェアと比べると斜陽ですが、ソフトウェアも「要素提供者」まで行かないと、事業規模的に乗り換え不可って話なんじゃないか?という気がしますし、その「要素提供者」も、OSSがゴロゴロある昨今、プラットフォーマーまで行かないとキツイんじゃないでしょうか?

 こう言った外部環境の中で「段階的成長はNGで、いきなり大手ソフトウェアプロバイダーとして成功しろ。」って無料ゲーじゃないか?と思ったりします。

 これ以外にも、工場は(、サプライサイドに偏っているので)、全体最適化が苦手、テクノロジ系との親和性が低い(工場の技術はホボ受注管理と品質管理だったりする)と言うのもあり、実際は、組織内でもデマンドサイドとサプライサイドの対立が観測出来たりもします。

 そう言うこともあり、私も、「そもそも、工場が現代のプロフィット・センターなのか疑問。」なんて思っていましたが、例えば、以下のような記事も本ブログの執筆中に拾ったりしました。

 「製造部門も設計部門もいずれも、ドラッカー流に言えばプロフィットを生み出していなかったのだから、まさに単なる"コストセンター"だったのだろう。」

 なるほど...。2010年の記事で昨今の情報に適合しているので、先読みができている記事ですよねコレ。ということで、エッスアイの中の人的には、この「デマンドサイド ⇔ 仲介 ⇔ サプライサイド」対立をどう攻略するか?前途多難ですが、上記を土台にしても、某弊部会として今、進んでいる方向は合っている。と考えていて、この方向性で「¥」が尽きるまで前進したいと思います。

 プロジェクトでは、スクラッチ開発なども減少していき、受託側の組織が中心ではなくなり、内製化などによって、"管理者の命令によって動く制御型組織から、現場での判断に基づいて動く自律型組織"が求められるようになっていく。と思います。
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