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2015/06/05

Proposal of global social infrastructure system architecture provided by OpenTouryoProject.

Tweet ThisSend to Facebook | by nishino

Open拝承・・・もとい、Open棟梁プロジェクト、PO の西野 大介です。

今回は”Open棟梁プロジェクトの提案資料”を作成してみましたので、その紹介をします。

コチラを参照下さい。


 社会インフラ向けのシステムとなると、基本的にはベンダ・ロックインされないJava-Webでの提案が一般的かと思います。しかし、システムによっては、一部リッチクライアントが必要になるケースもあります。さらに、HTML/CSS/JavaScript+REST WebAPIを使用すれば、さまざまなクライアント・デバイスを使うこともできます。そうすると、きっと.NETで開発を一本化するという選択岐も魅力的なものになってくるのではないでしょうか。

 また、.NET Core 5が本格的に使用可能になれば、将来的にはクライアントサイドだけでなく、サーバサイドもクロスプラットフォーム化できる可能性があります。この.NETのクロスプラットフォーム化の戦略は、プラットフォームの中核をコモディティ化されたOSというレイヤから.NET(仮想機械)という上位スタックのレイヤに移すものだと思います。

-引用--------------------------------------------
「Core 5 も DNX も ASP.NET 5 も開発中ということで、
現時点ではまだ、実用には耐えないようです。」
引用元:dotNetConf 2015 Japan 参加レポート【前編】 - MODD TECH BLOG
http://blog.modd.com/entry/2015/04/17/103615 (アクセス日 2015-06-03)
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 マイクロソフトもモバイルファースト&クラウドファーストを打ち出し、今までの事業を変革させています。これは、かつてメーカー系が得意としてきたプラットフォームのコモディティ化が更に進み、「多種多様なプラットフォームの淘汰の時代を迎えた。」ということの証拠だと考えています。この内のクライアントOSの”淘汰の時代”は、Linuxデスクトップの台頭として予想されていたものでした。

 しかし、振り返ってみれば、これを現実のものにしたのは、iOSやAndroid(カスタマイズ版Linuxカーネル)などのスマホ / タブレットの登場だったのではないか?と思います。このような新しいクライアント・デバイスの登場と台頭は、クライアントOS、そしてクラウドの登場はサーバOSのコモディティ化を更に進めることとなりました。そして、マイクロソフトはWindows + Officeに加え、Azure(IaaS - PaaS - SaaS)と、収益源の多角化を図っています。


 今後、日本のメーカー系がどのような差別化を図っていくか?も大変、興味深い所だと思います。


 さて、Open棟梁は、大規模かつミッション・クリティカルなシステムのインテグレーションに適用された多数の実績があります。「このようなケースにも有用なOpen棟梁。」というのが、この提案の背景にあるかと思います。やはり、長年このシステム・インテグレータとしてのノウハウを蓄積してきたこともあり、柔軟性を維持した、これらのノウハウのコモディティ化には強みがあります。また、プラットフォームのコモディティ化が進み、Office 365やDynamics CRM OnlineなどのSaaS、そして、さまざまなOSSが台頭するという情勢の変化があります。これらを考慮して、Open棟梁は、内製支援ツール化やSaaS開発基盤へとサポート範囲を拡大させていく予定です。

 また、OSS化後一年を経過して思ったこととして、他に同様のノウハウの蓄積を行えているモノも、案外、存在しないのではないか?と最近は感じています。この理由は幾つか考えられると思いますが、代表的な理由は以下の2つでしょうか。

  • 高品質 / 高信頼性が求められる大規模なミッション・クリティカルなシステムのシステム・インテグレーションを請け負う会社は大手SIerに限定される。
  • その中でも、以下の構造的な問題により、生産性を上げるための技術的な蓄積が困難であった。
    1. 大手SIerは人月商売で生産性向上は売上高の低下につながるためインセンティブが働かない。
    2. SIerのビジネスは、3C4Pで言う所のCustomerにPlaceでガッツリ組むというモデルになっています。故に、プロフィット・センターでは顧客業務知識+プロジェクト・マネージメントが重視され、技術は所詮原価とみなされています。いわゆる人月商売です。このため、原価とみなされる技術者のキャリアパスは閉ざされ、技術はコスト・センターが担当、若しくは、アウトソース対象となりました。

     Open棟梁は元々、コスト・センターの開発した社内向け支援ツールを自出としています。しかし、OSS化後、Open棟梁プロジェクトは、システム・インテグレータとしてのノウハウのコモディティ化することを目標としています。これにより、コーディネーターを中心に専業分化されたアウトソーシング先と連携する構造を作り出すことができると考えています。今後、Open棟梁プロジェクトは、これまでのSIerでは産み出すことのできなかった新しい価値を産み出すことで、ユーザーのビジネスへのメリットを訴求し続けて行きたいと考えています。

    -引用--------------------------------------------
    「従来の下請け階層型受注からコーディネート/専門分業型受注への
    変化の推進こそが、今後の日本のIT業界にとって重要な改革なのではないだろうか。」
    引用元:日本のIT再検証(4):多様化と市場縮小がSI企業を襲う - ITmedia エンタープライズ
    http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0803/27/news145.html (アクセス日 2015-06-03)
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    参考文献:

    1. OSのコモディティ化 Microsoft優位性低下の予感 - digital session log
      http://d.hatena.ne.jp/anthony-g/20060427 (アクセス日 2015-06-03)
    2. ハイテク業界を支配するアップル、グーグル、
      マイクロソフト--収益源で見る各社の違い - CNET Japan
      http://japan.cnet.com/news/business/35043632/ (アクセス日 2015-06-03)
    3. 記者の眼 - IT業界の人月商売、多重下請けがもたらす45の害毒(4/8):ITpro
      http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/072100007/?P=4 (アクセス日 2015-06-03)

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