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2019/05/15

ポートフォリオを読みプログラムを造り込む準備をする。

Tweet ThisSend to Facebook | by nishino
 さて、前々回、話した通り、そろそろ、ポートフォリオ・プログラム・マネジメントを開始しなくてはイケないフェーズに差し掛かってきた気がするので、先ず、コレ等を行うには、どの様なスキルが必要になるのか?を考えて行きたいと考えます。

 検討を進めるにあたって、先ずは、仮のポートフォリオを設定する必要がありますが、これについては、某承ルの「ソリューション・商品」ページの「イチオシ・ソリューション」が参考になりそうです。また、某承社のIoTが好調?のようなので、コチラも参考にしてみたいと思います。

<アウトライン>

  • アーキテクチャの特徴
    • コンポーザブル
    • ポータブル
  • ソリューション・商品
    • デジタル・マーケティング
    • スマート・マニュファクチャリング
    • ワークスタイル変革の促進
    • ビジネスデータの活用・促進
    • 位置情報のデータ活用
    • コネクテッド・モビリティ
    • トータル・セキュリティ
  • プログラムの造り込み
    • 技術要素
    • コンセプト
    • コンテンツ
    • 必要となるスキル



<アーキテクチャの特徴>

 上記のリンク先の記事を読むと、某承社のプロダクト(と言うより、ソリューション / サービス / テクノロジーの総称らしい)では、

  • コンポーザブル
    目的に合わせてサービススタックを
    組合せていくことでシステムを構築できる。

  • ポータブル
    クラウドとオンプレミスで同じ
    ソフトウェアスタックを稼働させられる。

 の2つをアーキテクチャの特徴としているらしいです。

 コレを、言葉で説明すると、

 「オープン且つクロスプラットフォームなソフトウェアスタックを組み合わせて、サービスを作成し、そのサービススタックを組み立てて、システムを構築する。

 という話でしょうか。

 コレ等は、

  • 脱自前主義
  • 脱垂直統合
  • 脱労働集約型産業

 などのコンテキストに合致するので、
 この方向性は、非常に重要だと思います。

 某弊部会でも、基本的には、メガクラウドのSaaS関連にはロックインされない方向性で開発を進めており、また、組み合わせ可能なオープンなプロトコルを中心に、施策を組み立てています。

<ソリューション・商品>

 イチオシ・ソリューションのラインナップを読んで、其々に使用されているテクノロジを考えてみると、

  • デジタル・マーケティング
    CRM / SFA、CMS、会員サービス、
    MA(BI、DWH、ビッグデータ、AI)

  • スマート・マニュファクチャリング
    産業系業務パッケージ
    + IoT、ビッグデータ、AI

  • ワークスタイル変革の促進
    OA、汎用基幹系パッケージ
    + ビッグデータ、AI

  • ビジネスデータの活用・促進
    データエントリ、FAQレコメンド、
    電子契約、電子帳簿、BIM、
    + ビッグデータ、AI

  • 位置情報のデータ活用
    フィールド業務系パッケージ
    + IoT、スマホ、地図、AR

  • コネクテッド・モビリティ
    IoT、組み込み

  • トータル・セキュリティ
    セキュリティ関連商材のラインナップ

 などのテクノロジが使用されており、全体的に、データの収集・分析を中心に置いているように思います。相手がデータなので、主な機能はデータの収集・利用になります。このため、以下の様なコンポーネントが重要なコンポーネントに位置付けられているように思います。
  • IoT(収集)
  • ビッグデータ
  • AI(分析)
  • 周辺セキュリティ

<プログラムの造り込み>

 以降では、前述のポートフォリオを読みプログラムのコンセプトやコンテンツを造り込んでみます。

<技術要素>

 前述の某社のアーキテクチャの特徴、ソリューション・商品等から、某弊、開発基盤部会(別名、繋ぎ目部会)的に注力すべき技術要素を、以下に抜き出してみようと思います。

  • モバイル / クラウド・ファーストのコンテキスト

    • モバイル
      • スマホ(プラットフォーム)
      • スマホ(Nativeアプリケーション)

    • クラウド
      ポータブル前提だと、IaaS、Open PaaSが基本。
      故に、FaaS、SaaSは注力ポイントでは無いが、
      PoCなど、要件的に必要になることがある。

  • 認証・認可(SAML2 / OAuth2 / OIDC / FAPI)、WebAPI
    サービス・スタックの組み合わせに必要になる技術。

  • エッジ・コンピューティング
     IoTコンテキストにおける繋ぎ目。最近(、と言っても2017年5月と2年前ですが)、マイクロソフトは、「モバイルファースト、クラウドファースト」に代わる新たな構想として、「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」を打ち出したらしい。

 等があるかと思います(要素技術は、コモディティ化が激しく、サプライサイドのサポートを入れれば立ち上がると思われるので、そういう系はスルーしてます)。

<コンセプト>

 コンセプトとしては、今迄、開発基盤の開発に注力してきましたが、スクラッチ開発は減っていくので、なんとなく、スクラッチ開発より、パッケージ&サービス開発(中途半端なSIテンプレートはシュリンク)や、それらのインテグレーションの比重、または、技術的な難易度が高くなってきている気がします。

 なので、インテグレーションに必要な「繋ぎ目」の技術が注力ポイントとなって行く気がします。開発基盤と言うより、インテグレーション基盤みたいなモノが求められているなんじゃないかな?と。

<コンテンツ>

 ...と言う事で、コチラに書いたコンテンツを改変して、以下の様に考えました。ホボ、繋ぎ目しか攻めていません。


 以前の図に追加したのは、

  • SAML2によるIDフェデレーションの部分
  • IoTのエッジ・コンピューティングの部分

 ですが、後者のIoTのエッジ・コンピューティングについては、

  • 必要な機能や認証の要件
  • クラウド・サービスなどで代替可能なトコロ
  • OSSでロックインを外せるポイント

 など、私自身が理解できていない部分が沢山あるので、今後、コレ等を明確にして行く必要があると考えています。


<必要となるスキル>

 と言う事で、ポートフォリオからプログラムを造り込むには、ポートフォリオの源となったマーケティングの空気を読むことが必要になりますが、加えて、自ミッションの中にどういうニーズがあり、それを、どういう技術スタックで解決していくか?と言う、自ミッションとテクノロジに関する幅広い知識が必要になってくるように思います。

 また、限られたリソースの中で、結果を最大化するために、各プログラムやプロジェクトを孤立化させずにスタックさせたりコラボレーションさせたりする事も、併せて検討する必要があるかと思います。

 コチラに書いたPMIの標準については、所詮、PMBOKと同様のフレームワークなので、専門的に行う場合には、必要になって来るとは思いますが、


 みたいな話もあるので、やはり、先ずは、「自ミッションとテクノロジに関する幅広い知識」が重要だと思います。
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